『ルー=ガルー』主演キャスト4人による対談の後編。
印象深かったシーンやこの作品を演じて感じたことなどをうかがった。
殺すことと食べることを通して見えてくる人類の未来への課題など、作品の本質に迫るディープなお話に注目!

── 『ルー=ガルー』のアフレコで大変だったのはどんな所でしたか?

五十嵐裕美
そうですね。最初は、美緒たちとしゃべってるシーンで
周りのテンションに流されて、「混ざっちゃダメ(笑)」て言われました。

井上麻里奈
ごめんね(笑)。

沖佳苗
私は、葉月のような大人しい女の子を演じるのは初めてだったので、演じる前はいろいろ考えたんです。
ですけど、葉月本人は自分を普通と考えているだろうと思い、大人しい子なりの普通の姿を演じました。
葉月は繊細で敏感な子なので、そういう微妙な部分を表現するのが大変でした。

沢城みゆき
最初、精神的には大人という風に演じたんですけど、しっくり来なくて監督に聞きに行ったんです。
そうしたら麗猫は戦隊ものでいえばレッド、つまりシンプルに悪を倒すぞ!と思っている、
実は一番純粋で子供な子だと言われたんです。それから楽に演じられるようになりました。

井上麻里奈
私は前回、言った通りシリアスな演技は一切しなかった(笑)。

── 演じられていて、特に印象深かったシーンはどこですか?

沢城みゆき
やはり、本番になって一気に凄まじさを増した鈴木敬太朗役の青山穣さんの演技ですね。

沖佳苗
葉月が触られたシーンなんか、本当に!怖かったです。

沢城みゆき
テストより本番の方が追い詰められましたよね。

井上麻里奈
ネチネチと(笑)。

── そのシーンで、歩未がサックリと鈴木敬太朗を殺してしまうわけですが……。

五十嵐裕美
実はこの作品で、一番悩んだ部分ですなぜ人を殺してはいけないのかという問い掛けがされているんです。
悲しむ人がいなかったら殺していいのか? 極悪人なら殺していいのか? 
それこそ、鈴木さんみたいな人なら殺していいのか? 
それで原作を読み終えた後、自分にそれを説明できるかと自問してみたんですけど、どうしても無理だったんです。
そういう意味で、私は歩未というキャラクターを理解して演じられるのか不安でした。

沢城みゆき
そのあたり、鈴木敬太朗という人が象徴しているんでしょうね。
共食いする動物だっているわけですから、どこまでなら殺していい、
というのは結局は人のルールとか、そういう話にしかならない。
突き詰めて考えていくと、面白いですね。

── 『ルー=ガルー』の時代は、それこそ動物すら殺さずにすむよう食事はみんな合成食品なわけですが、そのあたりはどう思われましたか?

井上麻里奈
あまりピンとこないですよね。
だって味や食感も一緒で、同じ栄養が摂れるならいいや、と思えて(笑)。

沖佳苗
動物たちの側に立って考えると、まあいいのかな?という気もしますけど…。

五十嵐裕美
ただ、農家の人たちはどうなるんだろう?

沢城みゆき
この場合、動物は増え続けるんですかねぇ? 
それとも野生動物も含めて管理されているのかな?

五十嵐裕美
もしかしたら、野生の生き物はいないのかも?

井上麻里奈
でも、まだ残ってはいるような感じもしましたね。

沢城みゆき
原作の麗猫は、普通に動物を殺して食べていました。
原作を読んで、一番面白いと思ったのが食に関することでした。
もちろん端末(モニタ)がないと、自分の位置がわからないとか、
コミュニケーション関連のことも面白かったんですけど、
そういうのって今の地続きにある未来すぎるじゃないですか。
それが食に関する話だと、もう少し飛び抜けてて、微生物も殺しちゃいけないと言いだす人も出て来るとか。
そういう方向に広がっていく世界観というのが、すごく面白かったです。
ようするに人が、今までの自然界の法則から降りちゃうという話なわけで、
その時点でそれは人なのかという話ですよね。
さらには、自分で殺せないものは食べないとしても、だったらどこからなら殺せるのか?とか。
非常に興味深い話でしたね。

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