SCANDALはカワイイ!
── 以前から京極さん、SCANDALのファンだったとか?
ええ。私は音楽のない生活なんて考えられないくらい音楽が好きなんで、執筆中もよく聞いているんですが、SCANDALさんの音楽は、たまたまデビュー間もない彼女たちの歌を聞いていて、
かわいくてうまいなぁと思っていたんです。
するとしばらくして藤咲監督がSCANDALさんのことを話しだすので、
「何でだろう?」と思っていたら、それが『ルー=ガルー』につながってたんですね。
じつは私、原作の京極先生の大ファンでもあるんです。
だから『ルー=ガルー』は大好きな京極先生と、やはり大好きなSCANDALさんの両者に関われるという
めったにないお仕事で、大感激でした。
── SCANDALのイメージはどんな感じでしたか?
「前進」ですね。彼女たちの曲を聴くと、何かスッと前に押し出してくれるようなポジティブな気持ちになれるんです。
だから鮮やかなビタミンカラーのような色味のイメージを感じます。
── 作中でSCANDALはどのようにかかわってくるのでしょう?
メインとなる4人の女の子たちは、冒頭では暗い色のイメージなんです。けれど話が進むに連れ、その色味がSCANDALさんのイメージに近づいていく。
それを手助けし、変化を象徴しているのが劇中の女の子たちが演奏しようとしている
SCANDALさんの『KOSHI-TANTAN』であり、随所に流れるSCANDALさんの楽曲ということになります。
特に、主人公の葉月はとても引っ込み思案な女の子なんですけど、
『KOSHI-TANTAN』が自分の持っていないものを与えくれ、精神的にも支えてくれるようになっていきます。
担当はドロドロした大人組
── 今回、具体的にはどういう作業をされたんですか?
まず、全体をA、B、C、Dの4パートに分けて、A、B、Cパートのプロット(構成案)を担当しました。女の子たちが動き出すところまでなんですけど、それだけで原作の7割くらいの分量になるんです。
それでどう削ろうと悩んでいたら、 監督から
「女の子たちを主体に」「大人たちの裏事情は、あまり描かないで」と言われて
やっと書けるようになりました。
── シナリオの担当は中盤のB、Cパートですよね?
そこは話が連続しているのでひとりの人間が書いた方がいいだろうということになって。おかげでなんだか、大人組担当みたいな形になっちゃいました。
── 大人たちはけっこうドロドロしてますよね?
そうですね。でも、主人公の4人の女の子たちには、最初それがないんです。ただ身近で事件が起き、初めてそういうドロドロした思いを持つようになり、
それが感情を喚起させ、そこから物語が動き出すようにしました。
それまで彼女たち、特に葉月は、私たちが皮肉を込めて「檻(オリ)」と呼んでいた、
安全で清潔な場所に囚われていたわけですから。
『ルー=ガルー』で触れ合う女の子たちを見て
── 各キャラのポイントは?
葉月は当初、言葉がスッと出せない子なんですけど、その心が少しずつ変化していくというのが『ルー=ガルー』のキモだと思います。
ですから、そのためのスイッチ(きっかけ)をいっぱい用意するようにしました。
歩未はクールですが、その突き放したような物言いも相手を気づかってのことだったりするキャラです。
真実は必ずしも言葉通りではないという象徴ですね。
美緒は唯一、コミュニケーション能力に長けているからこそ、
逆に周りを驚かすような突飛な行動にも出てしまうのだと思います。
麗猫は暑苦しいくらい格好いいキャラとして、短いセリフ回しにも注意しました。
── 4人の関係性という点では?
美緒だけは気軽に触ってくるんですけど、ほかの女の子たちは最初、目線もあわせないくらいですので、気やすく触れ合わないようにしました。
── 葉月は歩未に特別な感情を持っているようですが?
じつは私、女子校出身なんですけど、女子校では葉月のような感情を持つ子が普通にいたりするんです。私自身はそう感じたことはなかったんですけど、まるでドラマのような話を間近に見聞きしたこともあります。
それはいわゆる恋愛感情ではなく、憧れなんだとは思います。
純粋な憧れは「好き」という感情に通じるものだと考えて、
多少、恋愛的な気分を込めて脚本を書きました。
── 最後に『ルー=ガルー』はどういう風に見てほしいですか?
ぜひ友だちと見に来てほしいですね。ひとりで見たとしても、誰かに感想とかを「直接」話してみてほしいと思います。
人とリアルコンタクトをすることで、何かが変わることもあるんだと感じられると思いますから。
あと映画館で見るときは、携帯の電源は切っておいてください(笑)。


